網点がらしさ

やな

2009年05月23日 12:00


 いつかグレーになるんでしょうか。
 今月もフラッパー原稿無事上がりました。ちょっと予定押してたからどうなるかと思いましたが、なんとかクリアです。

 さてさて、写真はプリントアウトしたトーンの一覧表です。ちょっと専門的な話になるので、ご興味ない方はこの辺でスルーしてくださいね。

 漫画作成用の専門ソフトであるコミスタを使う前はPhotoshopとPowerToneというトーンを貼れるプラグインを使ってました。これはその時に作った自分がよく使う基本トーンの一覧と、ブラシの太さのポイント毎一覧です。コミスタに移行しても、いえ移行後の方がめちゃめちゃ一覧は重宝してます。
 というのも、デジタルってある程度の倍率まで落とすと画面上トーンが全部グレーで表示されちゃうんですよ。つまり、何線の何%のトーンがこの絵に一番合うかっていう判断が直感的にわかんないんです。

 アナログで長くやっていたので、だいたい必用なトーンの数字は頭に入ってます。例えばここは50線の10%で隣は42.5線の10%にしよう、とか。全部数字でトーンを選ぶデジタルの場合、数字が頭に入っているおかげであんまり苦労ありません。わからなくなったら一覧見れば大丈夫。ああ、原稿上でこの感じなら印刷されたらこんな具合になるなってわかります。でも、いきなりデジタルから入った人って大丈夫かなと心配になっちゃいます。どれを選んだらどんな感じになるかってプリントアウトするまでわかんないんですよ。画面上じゃあやっぱり感じが違いますから。

 網点って、昔の印刷技術でいかにグレーを出すかで考案された技術でした。今の印刷技術だったらグレーで描いても十分印刷できちゃうんですよね。たまーにカラー原稿そのままグレーで印刷しただろうって感じの漫画もすでに見ますから。逆にデータの世界では網点扱いづらい技術になっちゃってます。キレイに印刷に出す為に、いろいろとお作法を覚えないといけないんですよ。
 デジコミも出て来たし、最初からデジタルで漫画描きはじめた人は、扱いづらい網点にこだわりなくなっちゃうかもしれません。大好きだった手描きカケアミも絶滅しかかってるし、網点まで滅びる日が来るんでしょうか。でも、それってもう何か日本の漫画じゃない感じもするしなあ。網点はぜひとも生き残って欲しいと思います。

 ちなみにこの一覧、同人誌の相方、りおさんが昔作ってくれたものです。
 デジタルに移行してもありがたいのは紙の一覧と人間関係。
 アナログは重要です。
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